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2022.09.30

ママになっても働きたい! 仕事と家庭の両立に役立つ制度&サポート<後編>


仕事と家庭を両立するためのヒントをギュッと詰め込んだ「ママになっても働きたい! 仕事と家庭の両立に役立つ制度&サポート<前編>」に続き、今回は家事や働き方の見直しについて考える<後編>をご紹介していきたい。

日本のママは家事のしすぎ&パパは仕事のしすぎ?

2016年に総務省が実施した「社会生活基本調査」によると、6歳未満の子どもを持つ夫の家事・育児関連に費やす時間は1日あたり83分。
一方、妻は1日あたり454分と大きな開きがある。
諸外国と比較してみても、日本の男性の家事関連時間は先進国の中で最低の水準であることもわかっている。
国立成育医療研究センターによると、6歳未満の子どもがいる父親が家事・育児に十分な時間を確保するためには、1日の仕事・通勤時間を9.5時間以内にする必要があるという。
しかし2016年の調査では、父親の仕事と通勤にかかる時間は「12時間以上」が最多の36%を占めている。

共働き家庭が、限られた時間の中で家事と仕事のバランスをとっていくためにはどうしたらよいのか。
その手段と方法をいくつか紹介してきたい。

家事の負担が多い!

働くママ・パパは、とにかくやることが盛りだくさん。
食事・洗濯・掃除といった基本の家事に加え、子どもが保育園から持ち帰ってくる汚れものへの対応や学校のプリントチェックといった細かい作業が毎日のように発生する。
いくら時間があっても足りない…。
そんなママ・パパの負担を少しでも軽減するためのヒントを紹介したい。

時短家電をフル活用する

家事の負担を軽減したいと考えるワーママの多くが利用しているのが「時短家電」だ。
時短家電とは、ボタンひとつで掃除や洗濯といった毎日の家事をサポートしてくれる家電のこと。
初期費用はかかるが、上手に活用することで日々の家事の負担を大幅に軽減することができる。
現在、共働き世帯を中心に注目を集めている時短家電についてはこちらの記事をチェック。
働きウーマン必見!自分のライフスタイルに合う「時短家電」はどれ?

家事代行サービスを利用する

家事代行サービスとは、その名のとおり「家事」を「代わりに行う」サービスのこと。
部屋の片付けや掃除、洗濯、料理、買い物、アイロン掛けなどさまざまなサービスがある中、近年特に人気を集めているのが「料理の作り置き」だ。
自分が手をかけずとも、品数豊富で栄養バランスのとれた食事を家族に出すことができるのはママにとってうれしい限り。
家事代行サービス会社の多くが初回限定のお試しプランを用意しているので、リーズナブルな価格で試すことができるのも◎。
義務的な作業を家事代行サービスにお願いすることで、「部屋がキレイになる」「洗濯物がたまらなくなる」といった物理的なメリットを得られるほか、精神的・時間的なゆとりが生まれるように。
これこそが家事代行サービスの一番の魅力だといえるだろう。

ママになっても働きたい!

仕事が終わるのが遅い…

「今までのようにフルタイムで働くと、保育園の利用時間内にお迎えに行くことができない…」
そのような場合には、前編で紹介した「ファミリーサポート」や「ベビーシッター」といった外部のサービスを利用するほか、これまでの働き方を見直すという方法もある。

勤務時間数や時間帯を変更する

仕事と育児を両立させながら働き続けられるよう、介護・育児休業法でさまざまなルールが定められている。
以下の制度はママだけでなくパパも利用することができるので、家族で話し合って上手に活用したい。

■短時間勤務制度(時短勤務)
・子どもが3歳になるまでの間、勤務時間を原則として1日6時間に短縮することができる。
※時短勤務の具体的な取り決めは会社によって異なるため、社内規則等の確認が必要。

■所定外労働の制限(残業免除)
・時短勤務を利用しない場合や、時短勤務でも残業が発生してしまう場合には、子どもが3歳になるまでの間、残業を免除してもらうことができる。

■法定時間外労働の制限
・子どもが小学校に入るまでの間、時間外労働を1か月24時間、1年で150時間以内に制限してもらうことができる。

■深夜労働の免除
・子どもが小学校に入るまでの間、午後10時〜午前5時の労働(深夜労働)を免除してもらうことができる。

このほか、勤務先企業が導入している場合は、「フレックスタイム制」「始業・終業時間のくり上げ ・くり下げ」「託児施設の設置運営やこれに準ずる待遇の提供(ベビーシッターの費用を勤務先が負担する等)」といった制度も利用することが可能だ。

ママになっても働きたい!

働きやすい職場に転職する

現在の職場ではどうしても仕事と家庭を両立することが難しい…という場合には、子育てに理解のある職場へ転職するという方法もある。
その際、女性の活躍を推進している「えるぼし」や、子育てサポートを実施している「くるみん」に認定された企業をチェックしてみるのもオススメ。
転職サイトなどで特集を組んでいることもあるので、参考にしてみては。

えるぼし
えるぼしとは「女性の活躍を積極的に推進している企業」を認定する制度。
女性活躍推進法に基づいて厚生労働省が実施している。
事業者がえるぼしに認定されるためには、以下5つの評価項目をクリアした上で、その実績を「女性の活躍推進企業データベース」に毎年公表する必要がある。
【評価項目】
1、採用
2、継続就業
3、労働時間等の働き方
4、管理職比率
5、多様なキャリアコース

具体的には、採用における男女の競争倍率が同程度であること、女性管理職の割合が業界の平均値以上であること、非正規社員から正社員への転換や一度退職した女性の再雇用の実績などが認定の基準になっている。

参考:厚生労働省「女性活躍推進企業認定「えるぼし・プラチナえるぼし認定」

 

くるみん
くるみんとは「出産や育児の支援体制を整備している子育てサポート企業」を認定する制度。
次世代育成支援対策推進室法に基づいて厚生労働省が実施している。
「くるみん」という名称には、赤ちゃんが大事に包まれる「おくるみ」と、「職場・会社ぐるみ」で子育てをサポートする、という意味が込められている。
事業者がくるみんに認定されるためには、計画期間内に育児休業等を取得した男性従業員が1人以上いること、女性の育児休業取得率が70%以上であること、小学校就学前の子どもがいる場合にフレックスタイム制や時差出勤制等を利用できることなど、9つの基準をクリアする必要がある。

参考:厚生労働省「くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて
厚生労働省「くるみん認定及びプラチナくるみん認定企業名都道府県別一覧

 

そのほか、働きたい女性を応援する東京都の「女性しごと応援テラス」や、子連れで相談できる「マザーズハローワーク」などを利用する手も。

また、応募前に気になる企業のホームページや採用サイトをチェックしてみるのもオススメだ。

独立・起業する

近年、出産・子育てを機に独立・起業したり、フリーランスに転身したりする女性が増えてきている。
これまで培ってきた経験や自分の得意なことを仕事にするほか、育児からヒントを得て事業を立ち上げる人も少なくない。
たしかに収入の面では不安定になる時期もあるかもしれないが、自分の仕事のスタイルを自分で決められるのは、子育て中のママにとって何よりもありがたいこと。
子どもが急に病気をしたときや平日の学校行事などにも、会社員時代よりずっと柔軟に対応できるだろう。
最近では、クラウドソーシングサービスやブログ、SNSなどを通じて仕事を受注する人も増えてきている。
「自分らしい働き方」を実現するために、まずは情報収集からはじめてみるのも◎。

ママになっても働きたい!

まとめ

これまで2回にわたり、妊娠・出産後も安心して働くための諸制度&サポートを紹介してきた。
仕事と家庭を両立するためには、今回紹介してきた各種制度やサポートなどを利用しながら、家事の負担を減らしつつ「自分に合った働き方」を見つけることが大切だ。
子育てをしながらの仕事は想像以上に大変なことも多いが、その分子どもに与えられる機会や可能性もグッと高まるはず。
頑張るママの背中を子どもに見せることも、立派な子育てのひとつになるだろう。

 

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。


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