ホームページ制作にも使える!「IT導入補助金」とは?
「新しくECサイトを立ち上げたいけど、十分な予算がない」
「ホームページに予約機能を追加して、自社の業務効率改善につなげたい」
そんな事業者にぜひ活用してほしいのが「IT導入補助金」だ。
今回は、ホームページ制作にIT導入補助金を使うための申請条件や実際の申請方法等についてご紹介していきたい。
INDEX
IT導入補助金とは?
IT導入補助金とは、事業者が生産性や売上、業務効率の向上を目的としてITツールを導入する際に、その費用の⼀部を国が負担する制度のこと。
ITツールを導入する際、対象となる経費が最大で450万円補助される。
条件によってはホームページの作成にも適用されるため、これまで費用面がネックでホームページ制作をためらっていたい事業者は、ぜひIT導入補助金の利用を検討してみてほしい。
IT導入補助金でホームページを作成するための条件
IT導入補助金を用いてホームページを作成するには、いくつかの条件がある。
特に以下の3つは確実におさえておきたい。
1、申請の対象となるのは、中小企業・小規模事業者のみ
IT導入補助金申請の対象となるのは、基本的に中小企業・小規模事業者となる。
中小企業・小規模事業者の定義と具体的な業種については以下のとおり。
2、ホームページに生産性や業務効率の向上に役立つ仕組みがあること
少し前までホームページ制作はIT導入補助金の対象ツールとして申請が可能であったが、2020年度から認められなくなっている。
もともとIT導入補助金は、中小企業・小規模事業者の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けたITツール(ソフトウェア、アプリ、サービス等)の導入を支援するために設けられた制度。
そのため、単に情報発信としてのホームページを作成するだけでは目的を果たすものと認められず、売上や業務効率の向上など経営改善に直結する仕組みを盛り込むことが必須となったのだ。
つまり、予約機能や顧客管理機能を持ったホームページや、決済機能を搭載したECサイトの制作費は補助対象として認められるが、一般的なコーポレートサイトなど情報を告知するだけのホームページの作成は補助対象外となるので注意したい。
ホームページをリニューアルする場合はどうなる?
IT導入補助金で既存のホームページのリニューアルを検討する場合、補助金が使える場合とそうでない場合がある。
ポイントは以下の2つ。
・リニューアルにおける補助の対象はホームページのみ。ECサイトは対象にならない。
(新規でECサイトを構築する場合は対象となる。)
・ホームページのリニューアルでECや顧客対応、決済などの機能を追加する場合は補助の対象となるが、デザインやコンテンツの改修は補助の対象とならない。
以下にわかりやすく例を挙げてみよう。
【〇】通常のホームページに、EC機能を追加する
既存のホームページにECや決済、顧客管理などの機能を追加してリニューアルする場合は、追加分の費用が補助の対象となる。
ただし、デザインやコンテンツの改修費用等は補助されないので注意。
例:自社の化粧品を紹介するサイトに、オンラインショップ(EC機能)を追加する。
→〇 補助の対象に。
例:自社の化粧品を紹介するサイトのデザインを大幅に変更する。
→× 補助の対象にならない。
【×】既存のECサイトに、新たな決済機能等を追加する
現在運用しているECサイトに新たな決済機能を追加する場合などは、補助の対象とならない。
例:自社の化粧品を販売するECサイトの決済機能に、QRコード決済を追加する。
→× 補助の対象にならない。
3、申請には、IT導入支援事業者の支援が必要
IT導入補助金を申請するためには、IT導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」の支援を受ける必要がある。
中小企業や小規模事業者単体で申請することはできないので注意したい。
IT導入支援事業者は交付申請を共に行うパートナーとなるため、信頼できる業者を選定することが大切だ。
まずは、支援事業者として登録されているかどうかを事前にチェックしておこう。
▼IT導入支援事業者の一覧はこちら▼
IT導入支援事業者・ITツール検索
なお、当社も事務局に登録されたIT導入支援事業者として、補助金を活用しながら女性の視点やニーズに基づいたホームページ・ECサイトを多数作成してきた実績がある。
ホームページ制作に利用できるIT導入補助金の種類
2023年度のIT導入補助金は導入するITツールの内容に応じていくつかの枠に分かれているが、そのうちホームページ制作で利用できるのは、
・通常枠(A・B類型)
・デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
となる。
通常枠(A・B類型)
通常枠は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する費用の一部を補助することで、業務効率化・売上アップを支援することを目的としたもの。
ソフトウェアやクラウドの導入で生産性向上を図るプロセスの数が1つ以上のものがA類型、4つ以上のものがB類型に分類される。
■通常枠で対象となるホームページ
IT導入補助金の通常枠では、顧客対応や決済といった業務プロセスのあるホームページ作成において、最大で450万円、補助率は1/2まで支給される。
通常枠の補助額、ITツールの要件、補助対象は以下のとおり。
【通常枠はこのようなホームページ作成におすすめ】
●予約管理機能のついたホームページを作成する
アイウェイヴでの制作事例
・設計事務所のオンライン相談予約システム付きホームページ制作
・フォトスタジオの撮影予約システム付きホームページ制作 など
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
デジタル化基盤導入枠は、中小企業・小規模事業者等が導入する会計ソフト・受発注ソフト・決済ソフト・ECソフトの費用の一部を補助することで、インボイス対応も見据えた企業間取引のデジタル化推進を目的としたもの。
通常枠では補助されないECサイトも対象となるため、IT導入補助金を利用してECサイトを制作したい人は、デジタル化基盤導入枠での申請となる。
■デジタル化基盤導入枠で対象となるホームページ
IT導入補助金のデジタル化基盤導入枠では、会計、受発注、決済、ECのいずれかが含まれるホームページ作成において、最大で350万円、補助率は2/3まで※が支給される。
※補助額が50万円以下の場合は3/4。
デジタル化基盤導入枠の補助額、補助対象は以下のとおり。
出典:IT導入補助金2023-デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
【デジタル化基盤導入枠はこのようなホームページ作成におすすめ】
●新規でECサイトを開設する
●自社のホームページに、オンラインショップ(EC機能)を追加する
アイウェイヴでの制作事例
・アパレルブランドのオンラインショップ制作
・化粧品・健康機器のECサイト制作 など
採択率
IT導入補助金の採択率(交付決定率)は、申請する枠や時期によって異なる。
最新の採択率は以下のとおり(※2023年9月12日時点)。
通常枠(A類型)
[4次締切分]
申請数:2,804件
交付決定数:2,160件
採択率(交付決定率):77.4%
通常枠(B類型)
[4次締切分]
申請数:69件
交付決定数:42件
採択率(交付決定率):60.8%
デジタル化基盤導入枠
[6次締切分]
申請数:7,275件
交付決定数:5,643件
採択率(交付決定率):78.0%%
上記の中でも、特に「デジタル化基盤導入枠」の申請数は回を重ねるごとに右肩上がりで増え続けている。
その一方で、2022年度に85%前後で推移していた採択率が、2023年度に入ってから軒並み80%を切っている。
採択の可能性を少しでも上げるためにも、対象ITツールの導入実績はもちろん、IT導入補助金申請支援の実績とノウハウを持ったIT導入補助金支援事業者をパートナーに選ぶことが重要だと言えるだろう。
申請の流れ
IT導入補助金の申請から受給までの⼤まかな流れは、以下のとおりだ。
◇申請の流れ
1、公募要領等の確認
Webサイトや公募要領を読み、IT導入補助事業についての理解を深めておく。
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2、IT導入支援事業者と、導入するITツールの選定
自社の業種や事業規模、経営課題等にあわせて、申請に必要なIT導入支援事業者と導入したいITツールを選定する。
▼IT導入支援事業者の一覧はこちら▼
IT導入支援事業者・ITツール検索
どのIT支援事業者をパートナーに選び、どんな内容で申請するかは、採択率を大きく左右する重要なポイント。
女性に支持される効果的なホームページ・ECサイトの構築をご希望の方は、ぜひアイウェイヴまで。
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3、gBizIDプライムの取得
IT導⼊補助⾦の申請で必須となるgBizIDプライムを取得する。
「gBizID」の詳細はこちら
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4、SECURITY ACTIONの宣言
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施するSECURITY ACTIONの宣言を行う。
SECURITY ACTIONの宣言とは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度のこと。
「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言することを要件としている。
「SECURITY ACTION」の詳細はこちら
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5、みらデジ経営チェックの実施
IT導入補助金2023より、事前に「みらデジ」における「みらデジ経営チェック」を行うことが申請要件に加わった。
みらデジ経営チェックによって自社の課題やデジタル化状況、最適な解決方法などを確認し、交付申請の事業計画を策定する。
「みらデジ」の詳細はこちら
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6、IT導入補助金申請サイトへの登録
IT導入支援事業者から送られてきた招待メールから、IT導入補助金申請サイトにてマイページを作成し、必要な情報の入力や書類の添付を行う。
必要書類
【法人】
・履歴事項全部証明書
・法人税の納税証明書(その1またはその2)
【個人事業主】
・運転免許証または運転経歴証明書または住民票
・所得税の納税証明書(その1またはその2)
・所得税確定申告書B
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7、IT導入支援事業者にて必要事項の入力(第三者チェック)
IT導入支援事業者側にて、必要な項目の入力を行う。
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8、最終確認
申請内容に不備がないか、最終確認を行う。
上記のフローで申請を行い、無事に採択された場合は以下のような流れになる。
9、ITツールの発注・契約・支払い ★ ITツール導入(ホームページ制作着手)
事務局から「交付決定」を受けた後、ITツールの発注・契約・支払い等を行う。
※交付決定の連絡がくる前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けることができなくなるので注意。
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10、事業実績報告
導入完了後、実際にITツールの発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑(事業の実績)を事務局に提出する。
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11、補助金の交付
補助金額が確定し、補助金が交付される。
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12、事業実施効果報告
必要な情報を入力し、IT導入支援事業者の確認を経て、事務局に効果を報告する。
今後のスケジュール
通常枠(A・B類型)と、デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)の今後のスケジュールは以下のとおり。
通常枠(A・B類型)
◇6次締切分 締切日 2023年10月2日 (月) 17:00(予定)
◇7次締切分 締切日 2023年10月30日 (月) 17:00(予定)
デジタル化基盤導入枠(デジタル化基盤導入類型)
◇9次締切分 締切日 2023年10月2日 (月) 17:00(予定)
◇10次締切分 締切日 2023年10月16日 (月) 17:00(予定)
◇11次締切分 締切日 2023年10月30日 (月) 17:00(予定)
◇12次締切分 締切日 2023年11月13日 (月) 17:00(予定)
その他の補助金
企業がホームページ作成に利用できる補助金には、IT導入補助金のほかに以下のようなものがある。
まずはどのような目的でホームページを作成したいのかを明確にし、その目的に応じて各補助金の利用を検討するとよいだろう。
小規模事業者持続化補助金
目的:新商品・新サービスの開発や販路拡大など、事業の持続的成長のためにホームページを作成する場合。
小規模事業者持続化補助金の最大の補助額は200万円だが、Webサイト関連の限度額は50万円、補助率は1/4となる。
事業再構築補助金
目的:新規事業の立ち上げや販路拡大など、事業再構築の一環としてホームページを作成する場合。
ただし、新規事業の展開に必要なホームページのみが対象となるので注意。
ものづくり補助金
目的:生産性の向上により付加価値を高め、ものづくり事業の競争力強化のためにホームページを活用する場合。
中小企業は経費の1/2、小規模事業者は2/3が補助される。
補助額や補助率、対象、条件などそれぞれ異なるため、各補助金の公募要領をしっかり確認することが大切だ。
その他、地方自治体でホームページ作成の補助金制度を設けているところもあるのでチェックしてみたい。
まとめ
IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者のデジタル化を支援する重要な制度。
自社の課題やニーズに合ったITツールを導入することで、業務効率化や売上アップを図る大きなチャンスになるだろう。
IT導入補助金は申請する時期によって条件や内容が変わってくるため、自分たちで逐一情報をチェックするか、信頼できるIT導入支援事業者に相談することをおすすめしたい。
自社の経営課題を解決に導けるよう、補助金を上手に活用してホームページを作成しよう。
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